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2015年4月2日(木)。

東京は有楽町にある、日本外国特派員協会で行われた「世界に伝えたい日本のクラフトビール」というイベントに行って来ました。



このイベントは文字通り「世界に伝えたい日本のクラフトビール」を選出しよう!という企画で、日本ビアジャーナリスト協会さんの主導により、2014年11月から日本国内200カ所以上の醸造所をweb投票などで8社を選出、いよいよこの日が決選投票日でありました。

一次選考
現在200余りある日本のクラフトビールのブルワリーから、JBJAメンバーのビアジャーナリストによる投票で50にノミネートしました。 
二次選考
昨年11月24日〜本年2月15日の間に一般投票※により、8つのブルワリーに絞りました。
※50ブルワリーからJBJA公式サイトにおいてビールファンのネット投票によるもの
(「Peatix>日本外国特派員協会主催「世界に伝えたい日本のクラフトビール」」より。)


この日集まった、150人(一般参加70人)が各々3票の投票権を持ち、好きなところに投票するシステムで、1社に3票入れても、3社に1票ずつ入れてもいいとのことでした。

※記事末の結果より、総数436票。150×3=450なので満席の150人は居なかったのでしょう。「1票で数票分の審査員票」みたいなのがあったかどうかは不明です。

入選した8つのブルワリーは下記の通りです。(五十音順)
・コエドブルワリー(埼玉)
・サンクトガーレン(神奈川)
・志賀高原ビール(長野)
・ベアードビール(静岡)
・ベアレン醸造所(岩手)
・箕面ビール(大阪)
・ヤッホーブルーイング(長野)
・Rio Brewing&Co.(その他)
(「日本ビアジャーナリスト協会>発表!世界に伝えたい日本のクラフトビール」より。)

この顔ぶれを見てどう感じるかは人それぞれだと思いますが、ボク的には思い入れのある醸造所や、ちょっと意外なところも入っていたり、なかなか面白いと感じていました。


また、「1位になったらどーなるの?」が気になるところですが、
「世界に伝えたい日本のクラフトビール」として最も支持をあつめたビールは、日本外国特派員協会内の会員制レストランにて、数ケ月の間提供されることが決定しています。(「日本ビアジャーナリスト協会>発表!世界に伝えたい日本のクラフトビール」より。)
とのことでした。

この日の投票は「ブルワリー(醸造所)に」ではなく、「ブルワリーを代表するびーるに」だったので、この8社が「日本を代表するブルワリー8選」といったところでしょう。



当日配布された各社のびーる資料。



会の流れとしては、第一部に『トークセッション 「世界に伝えたい日本のクラフトビール」 日本外国特派員協会ライク氏とJBJA会長藤原ヒロユキ氏による対談』。
そして、入選ブルワリー8社のビール紹介。

第二部は、『ビール試飲会&投票結果発表』という流れ。

第一部の8社の紹介は、各醸造所の代表者さんによる約3分間のスピーチ形式で、主に自社の成り立ちから、商品の紹介までのお話でしたが、各社さんそれぞれの特色が出ていて聞き入ってしまいました。

では、ここで各社のスピーチから、ボク的視点で気になった部分を意訳にて簡単に紹介します。

■ヤッホーブルーイングさん
「コンビニなどで手軽に我々のビールが買える時代。我々はこーゆー時代を目指してやってきました。そのフラッグシップとなる製品がよなよなエールです。」

■ベアレン醸造所さん
「ドイツから昔ながらの設備、製法・レシピを持ち込み、伝統的なドイツスタイルのビールを作っています。一杯飲んで、あっとびっくりするビールではなく、沢山飲んで皆さんの会話が弾み、幸せな気持ちになれるビールを目指しています。」

■志賀高原ビールさん(※アンケート形式による代弁)
「自分達が飲みたい、自分達しか作れないビールを目標に、ホップなど自家栽培の原料にもこだわって製品を作っている。今回の“ハウスIPA”はそんな想いが詰まっており、とても人気の高い商品になっています。」

■コエドビールさん
「元々オーガニックの農業に取り組んできた会社である。元々、畑の土作りの為だけに大麦を栽培していたが、それをもったいないと感じビール造りに結びつけたところが原点。今回の“紅赤”も、同様に破棄されていたサツマイモを使用し Imperial Sweet Potato Amberとして仕上げました。(会社としては)Beer Beautiful(Beer is Beautiful. Your Life is Beautiful.)というテーマを掲げています。」

■サンクトガーレンさん
「今は神奈川県の厚木で行っていますが、地ビール解禁前の日本では国内での創業は難しく1993年にサンフランシスコで創業しました。最初に感銘を受けたエールビールの華やかな香りや味わいの深さを皆様に伝えたいと思い、エールビールしか造っておりません。」

■ベアードビールさん。(※英語によるスピーチのため誤訳の可能性があります。)
「2000年に愛する妻と一緒に創業しました。美味しいビールを造ること、そして人生の半分を過ごした日本への愛を基本としています。優れたビール、クラフトビールには物語が込められています。その想いを感じ取っていただきたいと思います。」

■箕面ビールさん。(※アンケート形式による代弁)
「創業18年になる家族経営の会社です。アルコール飲料の中で最も飲まれているビールにどうして個性がないのか?海外では様々な種類のビールがあるのに。そんな想いが創業の原動力でした。味わい深く、どんな場面でも思い出してもらえるビールでありたいと思っております。」

■Rio Brewing&Co.さん。
「醸造所を持たないジプシーブルワーとして日本とベルギーで醸造しております。日本の材料を使ったり、ベルギーの酵母をお借りしたりなど、それぞれの良さを活かせるのが特徴です。今後は酒類もグローバルに戦って行く時代だと感じている。そのこともありベルギーで支社の準備を進めております。」


などなど、それぞれの熱い想いが籠ったスピーチでした。

さあ宴の開幕だ!w


この後は、各醸造所さんのビールをいただきながら立食パーティ的な雰囲気に。
直接醸造所の方にお話を聞いたり、飲んだり食べたりと、びーる好きの集まるアットホームな集いになっていたように感じました。

てな感じで、飲んだり喋ったりしてるうちに開票の時間に。
スピーチと同じ順番で、票数が発表になり、その時点で1位(と思われる)の大きな獲得数が明らかになる度に会場内に「おお〜〜っ!!!」というドヨメキが。

ボクも(酔いが回って来ていたのもあり、)その時点では、正確な数字を記憶できておらず「あれ?結局どこなの??」と思っていたところ、

1位はなんと2組!

ベアードビールさんと、ベアレン醸造所さんが同数というまさかの展開でした。

特にベアレン醸造所さんは、コンテスト(品評会)の類いは、これまでも参加されたことが無いそうですが、

コンテストの類には一切、出したことのなかったベアレンですが、一般の皆さまの選出で選ばれたということで行ってきました。
きらびやかなビールが多い中で、一見地味なドイツスタイルのラガービールがこのような栄誉をいただいたことは大変、光栄なことと喜んでいます。これを糧にこれからもがんばっていきます。
応援いただいた皆さま、ありがとうございました!(「公式facebook」より。)

とのコメントを出されています。


ベアレン・クラシックが日本一に!昨日開催されました外国特派員協会主催「世界に伝えたい日本のクラフトビール」ベスト8発表会イベントにおいて、参加者による投票で決まるグランプリを、ベアレン・クラシックがいただきました!(ベアードビールさんと...
Posted by ベアレンビール on 2015年4月2日


そして、最終結果は、
ベアードビール[スルガベイ インペリアル IPA](77票)
ベアレン醸造所[ベアレン・クラシック](77票)
Rio Brewing&Co.[円陣 マリアージュ・ブリュー](68票)
コエドブルワリー[紅赤 -Beniaka-](60票)
箕面ビール[ゆずホ和イト](48票)
サンクトガーレン[湘南ゴールド](45票)
志賀高原ビール[House IPA](41票)
ヤッホーブルーイング[よなよなエール](30票)

でした。

当日感じた味などについて簡単に感想など。

■ベアードビール[スルガベイ インペリアル IPA](77票)
インペリアルならではの、しっかりとしたホップの苦味。ガツンとくる飲み口だが、言うほど飲みにくさは感じない。人気のIPAであり、当日一番重いびーるだった部分が、外国人の皆様の票を集めたのかも。

■ベアレン醸造所[ベアレン・クラシック](77票)
当日唯一のラガーにして、ジャーマンスタイル。麦の香ばしさが漂い、何杯でも飽きずに飲み続けられる印象。この、ある意味何の変哲も無いびーるが評価されたのは、実力の証明かもしれません。

■Rio Brewing&Co.[円陣 マリアージュ・ブリュー](68票)
柑橘っぽい酸味の際立つ味わい。当日一番酸っぱさを感じたびーる。特に当日ボクがお話しさせていただいた女性陣には軒並み好評でした。

■コエドブルワリー[紅赤 -Beniaka-](60票)
ラガーからエールになるなどレシピが大幅に変わり、より芋っぽさと味わい深さが強くなった「Imperial Sweet Potato Amber」。味の輪郭がより鮮明となった。Japan Originalの代表格ではないでしょうか。

■箕面ビール[ゆずホ和イト](48票)
安定した優しいゆずの甘酸っぱさ。何杯目かでいただき、ホッとさせられたびーるでもありました。ゆるゆると穏やかな気持ちで飲みたい一杯だったので、会場の喧騒はアウェーだったかも?

■サンクトガーレン[湘南ゴールド](45票)
こちらも柑橘系の定番。ほどよい柑橘の酸味とビアテイスト。バランスが良く、飲みやすい反面、当日の中ではキャラクターが弱かったのかもしれない。

■志賀高原ビール[House IPA](41票)
しっかりしたキャラクターがありIPAとしても苦い部類だと思います。日本国内のIPAの中でもトップクラス。しかし、よく言えば日本的であり、インペリアルIPAほどのパンチも無く、票を持って行かれた印象も。

■ヤッホーブルーイング[よなよなエール](30票)
缶での出品ながら、華やかなホップ感では群を抜いていた印象。上記の複数種と飲み比べて、その味のポテンシャルに驚きました。今回の中では、飲み慣れたメジャー感も大きく、その点がマイナスに働いたのかも?





投票数は、今回たまたまだと思いますし、醸造所の優劣を決する物ではありません。

番付にいろいろ感じる部分はあると思いますが、“自分の中での” 日本一のびーるを応援し続けること、というのも重要なことだなー、と改めて思い返した一日でした。




【公式ホームページ】
コエドブルワリー
サンクトガーレン
志賀高原ビール
ベアードビール
ベアレン醸造所
箕面ビール
ヤッホーブルーイング
Rio Brewing&Co.

日本外国特派員協会
日本ビアジャーナリスト協会



【蛇足】今回はこのような番付になりましたが、会場で全社のびーるを飲んで回り、飲む度に「どれ飲んでもうめー!」と思ったのは事実です。

1次、2次選考では、「醸造所」にスポットが当たっていたのに、今回の最終選考では「各醸造所を代表するびーる」に投票するという、一見矛盾した方式にも感じられましたが、ここの解釈はイベント興行的に仕方なしなのでしょうかね。
この辺の意図がどうなのか、もう少しハッキリとアナウンスされた方が良かったのではないかと感じます。(ボクが気づいてなかっただけだとしたらすみません。)

ボクも参加者だったので実際に投票する立場でしたが、「投票の基準をどこに置くべきか」を最後まで悩みました。

当日のびーるは関係なく、これまで通り、醸造所のイメージみたいなものに投票するのか、その日飲んだびーるに順位をつけるのか……などなど。

ベスト8に選出された、ということで止めておいて、投票無しのレセプションみたいにするのもひとつの手段とも言えますが、200以上から選んだんだから最後まで決めるってのも道理ですよねー。

……などと考えつつも、結局何らかの基準で投票しましたけど。
振り返ると「スピーチ+びーるの味」だったのかなー?

他の参加者の方々が何を思い、投票されたのかはわかりませんが、ランキングというものは、結果ベクトルが違おうと総意の結集なのでしょうね。

あと、限定びーるが流行ってるようにも見える昨今ですが、こうして各社のフラッグシップが育つのは大切なことだと思いました。

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