キリンビール「澄みきり」〔缶〕[2013.07.19]
【1st review in twitter】
味わえばじんわりと広がるホップの苦味。ホップ・モルトは弱目。すんなり喉へ通り抜ける喉越し。びーるというイメージよりも麦汁を感じる淡い甘み。
【追記】これを飲んで感じたのはやはり麦汁感。
麦汁とは簡単に言って、麦を煮立てた汁ですが、何度か濾過を繰り返した後のモノは甘味があって美味しくいただけます。
麦汁だけで製品化しても、そこそこ売れるとは思うのですが、品質管理や賞味期限的な問題で難しいとか。
麦汁の段階ではアルコールが発生していないので、麦ジュースってとこでしょうけど。
ということは、これは「若ビール(わかびーる)」と呼ばれる段階のものなのかなー?って思っちゃった訳です。
麦汁を発酵させると、アルコールと炭酸を生み出す訳ですが、びーるになるまではおよそ1ヶ月間くらい。
で、発酵過程1週間程の状態のものを若ビールと呼びます。
若ビールまでの過程を「前発酵」、その後を「後発酵」なんていったりするようです。
その前後の違いは、発酵過程を止めるかどうか。
発酵を止めないと、アルコールが濃くな(=糖が減っちゃ)ったり、香りが減ったり…まーいろいろと完成形から遠ざかる現象が起きちゃうんですね。
さて、公式ホームページを覗くと、
「“KATANA(刀)”をコンセプトとし、極力装飾を排した、洗練された高級感のある、凛とした佇まいに仕上げました。」(「公式>澄みきり」より。)
「麦100%のうまみと、澄みきる後味」
うーん?洗練…。
原材料を見てみると「麦芽、ホップ、大麦、大麦スピリッツ」
麦芽にしない大麦か…。そうそうこれは発泡酒でしたね。
コーンスターチとかは入っていない、と。
「今、日本中で、多くの人に親しまれている、新ジャンル。しかし、その中でも4分の1の人は、味に満足していないといいます。だからこそキリンは、誰もが心から満足できる新ジャンルの開発に、全力で挑戦しました。素材も、技術も、情熱も。キリンがこれまでビールづくりで培ってきた、すべてを注ぎ込んだ本気のいっぱい、「キリン 澄みきり」。新ジャンルのニュー・スタンダードと呼ぶにふさわしいうまさを、ぜひ、お楽しみください。」
この澄みきりを評価する上で忘れちゃいけないのは、「新ジャンル」であることでしょうね。
いわゆる発泡酒や第三のビールってヤツ。
発泡酒が出たての頃は、「疑似ビール」としての方向性だったと思いますが、今は商品によって個性を出して行こうという考え方が一般的になっている気がします。
まあ、クラフトビールも多くは発泡酒のカテゴリーなのでめんどい話なんですけど。
この辺のお話はまた別の機会に。
また、マーケティング部の方のインタビューでは
「目指したのは、バランスがよく飲み飽きない、ど真ん中のおいしさです。キリンが本気でつくった自信作、素晴らしいものに仕上がっています。とにかく一度、飲んでみてください。きっと、驚きますから。」
確かにバランスがよく、美味しかったです。
でも“どこの”ど真ん中だったか…。
「びーるの代用品」としての評価は未知数の商品かもしれませんね。
【公式ホームページ】
■キリンビール
■澄みきり特設サイト