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通い慣れた駅のホームで珍しくベンチに腰を下ろし、大きく息を吸い込んだ午前5時。
始発の新幹線をブッキングしたばかりに、在来線も始発になった事を軽く後悔しつつも心は軽い。

早朝ということもあり、普段ならたくさんの人で賑わう東京駅も始発ともなればグランスタどころかKIOSKすら準備中…。

右見ても

左見ても、ぽつーん。



なかなかレアかな?と思いつつ撮ってみた写真。


それはともかく新幹線に乗り込み、いざ盛岡へ────。




盛岡は、学生・社会人と何度か出入りし、十数年過ごした縁深い土地。
それだけでも郷愁の理由は充分すぎるが、高揚の要因はベアレンのびーるが飲めることである。それも前売り券2000円で浴びるほど。


さて、件のベアレン醸造所
岩手の地ビールと言えば他にもあるが、その中でもベアレンには熱狂的なファンが多いように感じる。
「熱狂的」と言うと、サッカーのフーリガンのようなものをイメージするかもしれないが、ベアレンは岩手の流儀に乗って深く愛されている感じ。うまく言葉で表現できないが、とてもあたたかいのだ。

ベアレンでは毎年2〜3回ほど、敷地内、社屋眼前の駐車場スペースを解放したビアフェスが開かれる。2013年のスプリングフェストは4月29日、30日の2日間。
ベアレンの原点はドイツビールを参考にされているとのことなので、いわば「みちのくのオクトーバーフェスト」といったところ。

飲めるびーるの種類も多岐に渡り、定番のクラシック、シュバルツ、アルトなどを筆頭に、ライ麦や夏期限定のラードラーが早くも飲めたり、この日は当日ソーセージを焼いていた職員さんの新婚を祝うブライダルエールなども振る舞われた。

そうそう。びーるの注ぎ方はセルフ方式で、会場の数カ所に設置されたブースに配置されたびーるのサーバに列を作り、次々に注いで行くというシステム。
サーバを自分で触る機会などあまりないと思うので結構貴重な経験ではないだろうか?
ブースにはスタッフさんが樽交換や調整の為に待機しているので、サーバ初体験の人は注ぎ方を伝授してもらえると思う。

裏道歩いて向かってたらたまたま見つけた駐車場の手書き案内看板。かわいい。

クラシック

ウェディングアルト

メルツェン

夏の定番ラードラー


(※掲載の写真のジョッキは、今回ボクが持参した2011年参加者に配布されたものであり、2013年に撮影したものです。念のため。)

同時に料理ブースでは、先述のびーるのお供の定番ソーセージや、チーズ・シシャモ・鴨肉などの各種薫製、三陸の幸グリルなども充実している。
しかし、多くのベアレン酒友のみなさんは、タッパー等で自慢の手料理を持参し、ちょっとした味自慢対決を各テーブルで繰り広げる。
ベアレンフェストでは、すっかりおなじみの風景ではないだろうか。

また、子供たち用の遊び場も考慮されており、ふわふわトランポリン(インフレータブルバルーンと言うんですね)などが設置されたりもする。

ボクは2010年、2011年、と参加させてもらっていたが、去年2012年は東京転勤の影響で参加を見送ってしまった。例年の恒例行事参加記録が途絶えるのは口惜しいものだ。
そんなこともあり、今回2013年はリベンジの気持ちも上乗せして決戦の4月29日を迎えていた。

個人的な余談だが、盛岡の酒友たちに事前連絡を取ったところ、開催期間の29日、30日いずれにも誰かがいる、という嬉しい状況だったにも関わらず、ひさびさの盛岡、他にも行きたい場所もあったので泣く泣く30日の参加は見送ることにした。

29日は雨こそ降らなかったものの、屋外で飲むにはちょっと肌寒い気候。確か最高14℃/最低6℃の予報だったと記憶している。
当日の服装は薄手のコートとネックウォーマーがいい感じだった。
今年の東京も寒暖の差が激しかったのでコートは衣替えで片付けようかどうか迷うくらいだったので、ちょうど助かった感じでもあった。

ちなみに通年のGW時期の盛岡はちょうど桜の見頃なはずなのだが、後日30日に訪れた桜の名所の岩手公園ですら長引く寒空の影響で2分咲きといった印象。

桜の花が満開に咲いてなくてもお花見は止まらないよね?w(in岩手公園2013.4.30)


ベアレンさんの復興支援オランダ島ビール(中身はアルト)と、
これからの旅行の共になりそうな瓶の蓋代わりにもなるシズラー栓抜きさん。





しかし、今回のスプリングフェストでは寒さに関しては杞憂に終わるケースも。
会場に設置された大型テントは“かぎかっこ状”2面に壁があり、防風雨と共に熱を逃がさない効果も感じられた。
多くの同志たちは、この恩恵を受けながらゆっくりと美味しいびーるに舌鼓を打てたのではないだろうか?

ちょっと他人行儀な言い回しからお察しかもしれないが、ボクたちのグループは会場入りの遅れから、大型テント内ベストスポットの確保に失敗し、開催時間の多くを陽のあたる場所で立ち飲みしていたことは優しい気持ちでお察しいただきたい。
だがしかし、それもまたビアフェスの醍醐味ではないだろうか?お天道様の光を浴びながら飲むびーる。これに勝る幸せが他にあるだろうか?…これは負け惜しみか?うん、負け惜しみだな…。

結果論ではあるが、テントに陣取らず、ふらふらと立ち飲みをしていたからこそ、予期せぬ酒友との出会いにも恵まれる。
今回よく絡ませていただいたのは、岩手県内で英語を教えていらっしゃるという総勢6〜10名ほどの外国人教師の方々ご一行様。
スコットランドのサッカーチーム、セルティックのユニフォーム姿で、まるで琥珀色がハチミツに見えてしまうような調味料入れみたいな器でびーるを煽る方や、NBAのケビンガーネットのようなナリで笑顔のキュートなお兄さんなどなど。あ、トイレ待ちの行列で1〜3歳くらいの娘さんに肩噛まれ生傷作りながらも笑顔であやしていた国際結婚のパパさん、傷は癒えましたか?この他にも、みんな乾杯と談笑につきあっていただいてありがとうございました。

2013年とはいえ、特に海外の方にとっては東北大震災の影響も大きかろうに、わざわざ岩手まで来ていただいているのはありがたいことですね。

肴を持ち寄り談笑を楽しむ牧歌的な家族飲みもビアフェスの醍醐味だけど、美味しいびーるに釣られてやってきた酒友、それも外国の方達と飲むのも非常に好きだ。
「日本のびーるは美味しいですか?」と乾杯を促すと笑顔で応えてくれるフランクさは、多くの日本人のそれとはまた違った喜びを感じさせてくれる。
こーゆー出会いもまたビアフェスの醍醐味だとボクは思うし、こーゆー出会いを感じたくてびーるを飲んでいるのかもしれないな、と感じさせてくれる旅路でした。

お土産のクラシックとシュバルツ



【公式サイト】ベアレン醸造所




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